慶應学生対談イベント〜その④

学生諸君に告ぐ。「学生よ、立ち上がれ」

1)学生の未来は

森:一枚絵を紹介させていただきます。資本主義では、人の役割は横軸に労働者と投資家、縦軸に短期的、長期的考え方として分類できます。ピケティのような考え方ですね。ピケティはこの200年で、投資家が労働者に対して、所得の伸び率が圧倒的に良かったとの研究結果を出しました。
 私は長期投資家ですが、今日の話題で言うと「サラリーマンが今後どうなっていくか、プロレタリア労働者の未来について」が重要なポイントになると思います。
 多くは短期的思考で始まり、長期的な経営に移行し、最終的には経営者になることが目標です。サラリーマンをやりながらも投資を学ぶ必要があります。独立するのも一つの方法ですが、リスクが高いです。石川さんも独立されていますが、若い頃からこの道を歩むことはリスクが伴います。サラリーマンとして、投資家マインドを持ちながら長期投資家になることが大事です。このままサラリーマンを続けると、短期的思考に留まり、痛い目に遭う可能性があります。資本主義下の役割をしっかり学び、投資リテラシーを高めることが重要です。お金は複利の原理を利用して増やす必要があります。若い学生には、この考え方を早めに学んでほしいです。

言い換えると「学生よ、立ち上がれ」ですね。

 私はサラリーマンから出世し、長期投資も20年やって資産を積み立ててきました。65歳になるまでにさらに増やす計画です。負債も住宅ローンを返済できました。現在はつばめ投資顧問の役員として、短期投資をする人たちを長期投資へ導く活動を行っています。現在55歳で、自分の資産運用会社を設立予定です。これらの経験を踏まえて、やはり高年収を得られるように努力しながら、長期の投資にも取り組んでいく。このように人生を俯瞰して学んでいくことが大切です。
 その上で人生にはある程度のラッキーさも必要となります。橋本さんも結婚が早く、今は成功していますね。

橋本:いや、でもこれ本当にラッキーですよ。出版した本が売れたりしたのも、ラッキーです。戦略を持ってやっていたわけでは全くなくて、むしろ橋野さんが言われているような気づいてないタイプでした。もちろん頑張ってはきました。ただ、ビジョンは全くないまま、今のこの仕事だけを頑張って、アウトプットで本を書いたらたまたま売れたという感じですね。あとは自分の子どもたちを早くにイグジットしていくというだけです。

森:今、若い方にとってラッキーなのは、副業がOKになりつつあることですね。つまり、早く学んだ人が勝ちになります。俯瞰的に見て、会社を立ち上げた人、経済学を修めてきた人も、真面目にやっていれば非常に有利です。若い時に学んでおけば、周りが気づいてなければ一気に先頭に立てるかもしれません。石川さんは独立されましたね。どんな気持ちでやっていましたか。

石川:私は30歳で独立しました。私の場合、三田さんに近い感覚で金融の専門職であるアクチュアリーという職種をファーストキャリアとして選択しましたが、選択理由は給料が高く、そこそこの生活ができればいいかな、という感じです。しかし、紆余曲折があり、最終的には独立していますが、戦略を持っていたわけではありません。
 戦略は持っていなかったのですが、長期運用の効用に関しては年金業界に身を置いていたので、強く認識しており、若年層からの長期的な資産形成が有効なのは独立した今でも強く感じています。

森:やはり、橋野さん、三田さんにとっても、ここからどう早めに動くかが重要ですね。

岩城:あとは夫婦で稼ぐことが重要ですね。私も結婚が早かったのですが、私たちの世代ではまだ結婚したら仕事を辞める人が多かった。でも私は結婚するときに、子供を二人産むし、仕事もやめないと宣言しました。夫もそこそこ稼げる業界でしたので、私も起業するというリスクが取れました。ある意味無謀なチャレンジで、そしてラッキーでした。お互いが稼ぐというのは本当に大事ですね。

森:4名ともが若い頃はそれほど深い戦略を持っていなかったというのが面白いです。でも勉強すれば、長期的な視点を持ち、勝つことができます。結婚など様々な要素が話題に出ましたが、橋野さん、三田さんはこのような俯瞰的な人生戦略についてどう思いますか?

三田:私はこのような計画を立てることが好きです。計画があれば、もしもズレが生じたときに修正することができますし大切です。計画なしに突っ込むのはリスクがあると思います。私は資格を取ったのも将来独立できるようにという計画があったからです。投資については親が教えてくれたり、自分で勉強したりしていますが、多くの人はこういう計画を立てていないと思います。

森:実際サラリーマンだと40年間働くことになりますからね。

橋本:多くの方は「労働者」のカテゴリに当てはまりますね。それをどう広げていくか、転移させていくかが重要だと思います。

森:先程の図の右側は資産に働いてもらう側で、左側は労働者が自ら働かないといけない側です。労働者はどうしても自分の時間を使って働くしかない。サラリーマンでも上の方に行きながら、さらに右上の投資家側に近づければベストですね。スタートアップの若い社長さんたちは、株を持ちながら経営していますから。

岩城:確かに上場すると大きく変わりますね。若い世代でも労働者から資産を持つ人生に移行する人もいます。

森:日本では現在税収が足りず、増税の方向になっています。サラリーマンは国から所得を捕捉されていますし、社会人のほとんどがサラリーマンですから、このカテゴリで生きていくのは辛いでしょう。

三田:起業して何をしたいか具体的に考えている人は少ないですね。

橋野:起業というアクションを起こしつつ、自身の興味を見つけ、それを強みにしていくのも問題ないのでは?と思います。どのようなキャリアを歩むにしろ強みをもつことは重要ですね。

森:おっしゃる通り、強みが一つ以上ないと勝ち抜けないですね。昔は日本も技術立国でしたから、その軸で進めば楽でした。ただ、今はもっと個人の強みを持つことが重要です。

岩城:長期的な視点で人生を俯瞰すること、経営者目線と長期投資家としてのポジションが重要ということを学生さんにはぜひ知ってほしいですね。

森:そうです。さらに、リスクも考えてもらう必要があります。私は今、つばめ投資顧問で長期投資のアドバイスをしていますが、労働者のままでいるのか、投資家側に回るのかは、本当にゲームのようなものです。ただし、資本主義という大きなゲームのもとで戦うしかありませんから、より有利な位置に身を置くために、日々、勉強することが大切です。

橋本:重要なのは、無知のまま労働者として搾取され続けることから、いかに早く抜け出すかが重要です。それこそ人生ゲームだと思います。

石川:年齢的に学生に近い私の感覚でいくと、若い方は仕事内容に関して短期的な視点で判断することが多いように感じます。正直、経験が少ないため、長期的な目線で仕事内容を選んだり、経営的な視点で長期間に及ぶ判断を行うことも少ないと思われます。一方で投資に関しては若い方であれ長期的な視点を持つことが可能であり、若いうちから投資を通じて長期的な思考を養う機会になるかもしれません。こうした長期投資の啓蒙からプロレタリア的な思想に変化を与えられる一助になるかもしれませんね。

岩城:「プロレタリアをどう変化させていくか」っていいフレーズですね。非常に面白いお話でした。みなさまありがとうございました。

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